海洋民族バジャウ?フィリピンのミンダナオ島の南側。 フィリピン及び、インドネシアにまたがるセレベス海に近いところに行くと。 昔ながらのスタイルを守って生活をしている民族に出会う事ができるかもしれない。 彼らは、バジャウと呼ばれている。 写真の人たちは、決してバジャウではないと思うんだけど。 バジャウとほぼ同じスタイルで暮らしている人々だ。 まだ近代国家が成立する前。 他の国でもそうだったんだけど。 国境なんかを気にしないで、自由に行き来していたんだ。 アフリカなんかじゃ今でもその名残は強くて。 マサイなんかは、自由にケニア・タンザニアを行き来している。 アジアだとなかなか政治的な問題が絡むから。 難しいんだけど。 それでも、こうした海洋民族なんかはいまだにいるんだ。 別名、彼らは『シージプシー』なんても呼ばれたりしている。 彼らは一見楽しく暮らしているんだけれど。 でも彼らの生活は実はめちゃくちゃ厳しそう。 何しろ、漁業で生計を立てているんだけど。 海洋汚染やら乱獲やらで、その漁業もままならなくなってきた。 更に、インドネシア~ミンダナオ間。 かの有名な海賊地帯。 今でもけっこういるそうだ。 有名なテログループ『アルカイダ』の親戚の『アブサヤフ』もここらへんにいる。 今の世の中。 全てが金で動いている。 お金があれば、なんだって買えるし、なんだってできるんだ。 でも、お金がないと本当に何にもできない。 彼ら、海洋民族はかつては獲った魚を売って、生活必要品を買う現金収入を得れていたけど。 今はそれがけっこう大変。 だから、町に来てお金を探す。 狩猟・採集民族は一般的に昔ながらの生活をしていると。 お金を探すのも一種の採集になってしまう。 それは『物乞い』なんだ。 日本を含む近代国家では、物乞い=乞食っていうネガティブなイメージになってしまうけど。 彼らは、他に現金収入の道がない。 しかも彼らの言語は、フィリピン語でもない。 滅びゆく、マイナー言語だ。 だから、町でも雇ってもらえない。 つまり就職口はない。 海洋民族のスタイルを捨てたくても捨てれない。 かといって海洋民族で食っていくのも困難だ。 そう、彼らはけっこう大変で。 歴史的、そして国家的な問題の間に置き捨てられた。 自然と共に生きてきた民族なのだ。 決して水曜スペシャル調に。 『ミンダナオの海域で、乞食をして暮らす、幻の海洋民族は実在した!!!』 などとバカにしてはいけない。 こんな事情を抱えている民族もいるって事を。 ちょっと知っておくと『うんちく』として使えるかもしれません。 |